〈レビュー・感想〉映画『フラッシュダンス』ジェニファー・ビールスの水しぶき

ネタバレあり。
内容を含みますので、ご注意ください。
物語のテーマについて書いています。

 

はじめの、黒地に特大の赤のタイトル『Flashdance』(原題)がかっこいい、『フラッシュダンス』は、エイドリアン・ライン監督、プロデューサーはドン・トンプソンとジェリー・ブラッカイマー。当時、大学1年生だったジェニファー・ビールスを主役にした、1983年のアメリカの青春映画です。

 

昼は溶接工、夜はクラブのダンサーとして働く18歳の女の子、アレックス(ジェニファー・ビールス)。ダンスが大好きで、ひとたび音楽が鳴れば、体が動き出してしまう。彼女の夢は、プロのダンサーになること。ある日、バレエ団へオーディションの受け付けに行ったアレックスは、周りと自分を比べて、自分にはそぐわないのではないかと逃げ帰ってしまいます。

 

『Flashdance...What a Feeling』ホワット・ア・フィーリング

時は1980年代初め、舞台は「鉄鋼の町」ピッツバーグ。朝もやの中を自転車で出発し、大きな橋を駆け抜ける主人公、アレックス。流れる曲は『Flashdance...What a Feeling』。はじまりから物語の世界に引き込まれます。

 

大きな橋の名前は、「スミスフィールド・ストリート橋」。なんかニューヨークっぽいなあと思って調べたら、のちにニューヨークのヘル・ゲート橋(イースト・リバー・アーチ橋)をデザインしたグスタフ・リンデンソールという技術者のデザインとのこと。1981年から1983年にかけて建設され、開通したのは1983年3月19日。撮影がどの時期に行われたのか知りたくなります。

 

画面いっぱいにかかるこの橋を、仕事場へと通り抜けるアレックス。仕事場とは、製鉄所なのです。Alexと書いたマスクを脱ぐと、パーマした黒髪と濃いまつげの、愛らしい顔をした女性。

 

マウビーズ・バーで、水しぶきを散らす

仕事帰りに、製鉄所の男二人がマウビーズ・バーへと向かいます。ここでは、夜な夜なダンス・ショーが開かれているのです。今夜は、アレックスの出番。この、有名な、途中で水をかぶるダンス・シーンはものすごくかっこいいです。

 

はじめ黒く浮き上がったシルエット、セクシーなボーカルの曲に乗って、踊ることが生きがいのアレックスは、生きていること、踊ることの楽しさを、クラブの舞台で精一杯表現します。

 

誘われてやってきた男の一人は、アレックスを雇っている製鉄所の社長ニック(マイケル・ヌーリー)でした。舞台で踊る彼女をモノにできたら「6点」とは、彼の最大限の賛辞です。

 

ニックは仕事場で声をかけたり、アレックスを食事に連れ出そうとしますが、「ボスとは食事をしない主義なの」と断り続けられます。

 

耳から離れない『Maniac』マニアック

元々倉庫だったのを改装したというアレックスの部屋が素敵です。グラントという茶色い犬と暮らしています。そこで彼女は、一人ダンスの練習を続けます。流れるのは『Maniac』、ダンスにとり憑かれた「彼女はマニアック」なのです。

 

アレックスには、同じバーで働くジェニー(サニー・ジョンソン)というアイススケーターやコックのリッチー(カイル・T・ヘフナー)、元バレエダンサーのハンナ(リリア・スカラ)という友人がいます。リッチーはコメディアンを目指していて、ロサンゼルスに憧れています。

 

「夢を捨てることは死ぬことと同じだ」

1983年にはすごく斬新だっただろうと思います。ミュージック・ビデオみたいにダンス・シーンが流れます。

 

そして、恋をしたり、友人が挫折をしたり、夢を追いかけて遠くへ行ったり、大好きな人の死と向き合ったり。夢を追いかける女の子の、日常と夢に向かって挑戦する物語。夢を追う映画の王道のスタイルですが、そのメッセージは今でも色褪せません。

 

「夢を捨てることは死ぬことと同じだ」

 

夢に挑戦することは、それだけで価値がある。「勇敢」だという価値。勇気を出して、一歩前に進むこと。それが、生きるということ。

 

「大きく息を吸って、ジャンプするんだ」

アレックスは、正式なレッスンを受けたことがないからと尻込みしますが、ダンスへの情熱はあふれるばかりです。

 

ジェニファー・ビールスが魅力的

私が好きな場面は、部屋でピザ・デートをして、彼女が音楽に目覚めた時の話をするところ。「目をつぶると音楽が聞こえるよ」と父が教えてくれたことを「目を閉じて」とニックに試すように言います。

 

『Lady, Lady, Lady』が流れるシーンも切ない。「踊っている間だけ別の人間に変身するの」「それが待ちきれない…自分を消したくて」と、アレックスは大きな瞳から涙をこぼします。

 

それと、レストランでのアレックスのスーツ姿が素敵です。
ニックの別れた奥さんが意地悪を言ってきた時に、ジャケットを脱ぐと、袖がなく体の前の部分を隠しただけの白シャツなのです!着けているのはカフスだけ。

 

自分の好きなことをする

この映画を観て、夢に挑戦することは勇敢なことだと感銘を受けました。そして、それが生きることだと。

 

日常生活を送っているといろんなことがあるけど、自分の好きなことをするのが一番大事だと改めて感じました。これ!という大きな夢がなくても、自分の好きなことを毎日続けること。

 

私も好きなことを、いつでもどこでも続けられたらいいなあと思います。
私にとっては、本を読むこと、映画を観ること、音楽を聴くこと!