【書評】タサン志麻『ちょっとフレンチなおうち仕事』でラクする!

ワニブックス、2020年。帯には、「伝説の家政婦」シマさん初の暮らし本!実は2児の母、夫は15歳年下のフランス人。家は築60年、古民家。などと書いてあります。テーマは、「ラクしたい日こそフランス料理!」という考え方。

自分らしいこと

読みやすい素朴な文章で好感が持てました。載っている料理も簡単で美味しそう。テレビで見ていると無口なイメージだったけど、メッセージがはっきりしていて、芯の通った一面を知ることができました。オシャレというよりラク、一生懸命にやるというより楽しむ。それもラクすることでおしゃべりの時間をつくる、などの工夫をして。

 

何よりも「自分らしいこと」を重視されています。自分にとって使いやすい、やりやすいということを追求されていて、その彼女の方法が載っています。菜箸が一膳あればいい、とか家の手直しは住みながら少しずつやっていく方がやりたいことを形にできる、とか。

 

ラクして楽しむ

タイトルの“ちょっとフレンチな”の意味は、志麻さんがフランス的価値観に触れたことで、みんなそれぞれでいいし、教科書的な答えを追わなくていいと感じて救われたそうで、生活に取り入れているとのこと。私も読んだだけで、簡単にしていいんだ、簡単にすればいいんだ、ととてもラクな気持ちになりました。実際、使う食器を減らして洗い物をラクにするなど、家事をラクにすることにしました。

 

フランス人と食事をすると、何を食べるかではなく、食卓でどんな話をするかのほうが、重要だと感じます。p151

 

どんな料理を出そうかと考えたり、今日の献立は何にしようと毎日悩んだりしますが、食卓での目的は会話すること、楽しむこと。この本に書いてあるように、ちょっと目線を変えてみると、そんなにやらなければならないことばかりではないと、まず心がラクになります。

 

話さないとわからない

私が一番気に入った項目は「たくさんおしゃべりするフランス人に学ぶこと」。思っていることは伝えないと相手には伝わらない、言わなくてもわかってくれるは通用しない。夫婦でもそうで、旦那様のロマンさんとは違う文化で育った者同士、よりお互いが思っていることを伝えなければと思って、たくさん話をするそう。

 

でも、それは日本人とフランス人だから話す必要があるのではなく、どの夫婦だって、どの家族だって、やっぱり同じ。それぞれは違う個人だから、話さないとわからないことはいっぱいあります。その積み重ねで相手のことを理解し、自分のことも理解してもらえる。p171

 

おわりに、にはやはりフランスを知ったことでご自身が気楽になったこと、自分は自分でいいと思えるようになったことが書いてあります。「こうじゃなきゃ」と自分を縛るより、「もっと自分らしく気持ちをラクにしていい」と日々をもっと楽しく暮らすヒントになれば、と。私には、とても効きましたよ!